理想アキシャルダイオード
今までに存在しなかった「アキシャル形状の理想ダイオード」です。
Texas Instruments社のLM74610-Q1を搭載し、N-Channel MOSFETを制御することで、ショットキーダイオードよりも大幅に低い順方向電圧降下を実現します。
基板にスズメッキ線を取り付け、熱収縮チューブで被覆し、マーキングを施すことでアキシャルリード形状としています。
既存回路のダイオードと簡単に置き換えることができ、逆接続保護、電源のOR接続、バッテリーバックアップ回路などに最適です。
特徴
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低損失
MOSFETのRDS(32mΩ typ)による電圧降下のため、ショットキーダイオードよりも大幅に低損失
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高速逆極性保護
2.2µs(typ)の高速応答で逆極性を検出し、回路を保護
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ゼロ静止電流
GND基準を持たない設計により、待機時の消費電流がゼロ
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アキシャルリード形状
通常のダイオードと同じ形状で、既存回路への置き換えが容易
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フローティング構造
GND基準不要のため、通常のダイオードと同様にアノード耐圧を考慮せず使用可能
仕様
- 搭載コントローラIC
- Texas Instruments LM74610-Q1
- 搭載MOSFET
- LN2604DT2AG(RDS(on): 32mΩ typ, 40mΩ max)
- ボディダイオード電圧
- 0.78V(typ)/ 1.5V(max)
- 最大電流
- 3A
- 最大逆電圧
- 42V(連続)/ 45V(2ms)
- 逆極性検出応答時間
- 2.2µs(typ)/ 5µs(max)
- 静止電流
- 0µA(Zero Iq)
- 形状
- アキシャルリード(φ1mmスズメッキ線)、本体部 φ5mm×18mm(typ)、リード部 50mm±10mm
動作原理
通常の理想ダイオードとの違い
一般的な理想ダイオードICは、GNDを基準としてアノード側から電源を取得してコントローラを動作させます。そのためアノード、カソード、GND(電源)の3端子が必要となり、アキシャル形状にすることができません。
本製品に搭載されているLM74610-Q1は、GND基準を持たないフローティング構造を採用しています。アノード-カソード間の電位差のみで動作するため2端子で完結し、通常のダイオードと同じアキシャルリード形状を実現しています。
自己給電による動作
GND端子を持たない代わりに、以下の「自己給電」の仕組みで動作します。
- 起動時:電流はまずMOSFETのボディダイオードを通って流れます。このときの順方向電圧降下(0.78V typ)がエネルギー源となります。
- チャージポンプ動作:LM74610-Q1内蔵のチャージポンプが、このボディダイオードの電圧降下を利用してコンデンサ(VCAP)を充電します。
- MOSFET駆動:VCAPの電圧がソース電圧より十分高くなると、ゲートを駆動してMOSFETをONにします。MOSFETがONになると電圧降下はI×RDS(on)まで低下します。
- エネルギー補充:VCAPの電圧が低下すると、一時的にMOSFETをOFFにしてボディダイオード経由で電流を流し、再びエネルギーを回収します。このON/OFFのDuty比が98%(typ)となります。
GND端子が無いため、アノード-カソード間に電位差が無い場合に待機電流が流れる経路がありません。そのため静止電流ゼロ(Zero Iq)となります。
こんな用途に
- 電源の逆接続保護
- バッテリーバックアップ回路
- 電源のOR接続(ダイオードOR)
- ショットキーダイオードからの置き換え(低損失化)
- 手実装基板への理想ダイオード実装
注意事項
- 高速スイッチング用途には使用できません(ファストリカバリダイオードの代替不可)
- フライホイールダイオード、スナバ回路など、高速な逆回復が必要な用途には不向きです
- DC用途専用です(AC整流には使用できません)
- Duty 98%(25℃ typ)のため、約2%の期間はMOSFETのボディダイオード分の電圧降下が発生します